アートヤーン考

  • Day:2012.03.25 03:40
  • Cat:紡ぎ
ヒツジパレット初日、LexiさんのWS「Enjoy Art Yarn」のアシスタントを務めさせていただきました。
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Lexiさんから頂いたバッツ↑

2009年CAMP PLUCKYFLUFF IN TOKYO に参加して一度Lexiさんの講習は受けてはいましたが
アシスタントとなると…ちょっと緊張。
でもkakara-woolworksの青島さんが初日はオブザーバーでいらっしゃると聞いて、
私は「道具担当」で頑張ろう(笑)と思ったのでした。

講習の雰囲気などは既に色々な方がblogなどでupされているので、
私は、
09年から…08年からかな…。3年とちょっと時が経って、感じたこと理解した事などを正直な気持ちでツラツラ書いてみようかと思います。

<今日の文章は長いので畳みます>

08年、この本が紹介され、翌年Lexiさんが東京で講習をするらしいと聞いたときの葛藤。
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初めて見たときは…「どうしてこんなゴミみたいな糸を紡ぐのだろう?インパクトがあって面白いけど…
それ以外のなにがあるのが…私にはわからない」という気持ち。
それと同時に…、これからはきっとこの糸が受ける(イヤラシイ気持ちですよね)だろうな…という予感。
この面白さがわからない私は…頭が固い?
時代に乗れてない? 
本見れは紡げるけど…それ以外の物があるのかもしれない…。
いつでも…何でも面白がりたい。好奇心がいっぱいでいたい。
食わず嫌いより、食べたら美味しいかもしれないし…、ダメだったら残せばいいや…
とりあえず現状で固まるのはやめよう。いつも柔軟に…。

そして09年、2日間にわたってのイベント2009年CAMP PLUCKYFLUFF IN TOKYOに参加しました。
1日目の様子
2日目の様子

講習は楽しくExcitingでした。
09年の講習は、本に載っているテクニック中心のWSでした。
いわゆる普通の意匠糸を大げさに焼き直しているだけ?って思える糸もありましたが、ホントにいろいろ教えていただきました。
私は、当時Lexiさんが何を思ってこの糸を紡ぎ始めていたか…ということよりも(申し訳ないです)テクニックを学んで自分の物にしよう、これをどう糸に活かして作品つくりにつなげようかと思っていただけ。
大げさなadd-insをいれたり、なんとなく糸がパフォーマンスしているような仕上がりは、面白いけれど素材としての糸としては個性が強すぎて使えないのではないか…。
糸が作品というけれど…糸が作品になっているなんて ぜんぜん思えない…。
アートってなんだろう。アートしている糸ってなんだろう?  
こういう思いの中でずっとモヤモヤしたものが心の中にありました。
色々な人にアートしている糸ってなんだと思う?って聞いてみても響いてくる答えはなく、
「そんなに堅苦しく考えることはなくて、楽しめばいいんじゃない?」って言われました。

2010年以降、どんどん世の中にアートヤーンが浸透してきて、アートヤーンから糸紡ぎを始める人たちが増えました。
私にもアートヤーンを紡いで欲しいというお仕事の依頼が来て、izumiちゃんと二人で100カセ 試作から数えると130カセほどアートヤーンと称して「Translucent Yarn」を紡ぎました。
このお仕事を通して感じたことは、「商業ベースに乗るアートヤーンなんて絶対にアートしていない」ってこと。
納品するカセは グラム数も糸長も初めに取り決めた契約通りに仕上げる事が条件です。
形状はちょっとアートしているように見えても、常に同じもの作る職人の気持ち。モチベーションをずっとキープしたまま飽きずに同じものを生産することの大変さ…。本当に大変でした。これはまた別のお話なのでいつかゆっくり書きたいと思います。

私たちの紡いだ糸「Translucent Yarn」は、アートはしていないけれど、ファンもつくてくれて、恥ずかしくない糸、私たちのオリジナルの糸に成長したと自負しています。
でもこのような糸を「アートヤーン」と呼ぶのは違っています。

ではアートしている糸ってなんでしょうか?

今回のWS「Enjoy Art Yarn」には、09年とは違うのLexiさんからの思いがありました。
派手なadd-insを入れた糸や奇をてらったテクニックの糸ではなく、メッセージ性のある糸を紡ぐこと。
講習の目玉 「Self portrait」はカタン糸を使って素直に紡ぐことで糸が形になりメッセージも伝たわりやすい。
とっても面白いWSでした。
8日のWSでは時間が少なく、メッセージを伝えきれなかった方も多くいらしたのではないかなぁ~っとちょっと残念でしたが 、これは私も参加したかったです(笑)

制作過程 素材としての糸ではなく主張しメッセージのある糸:アートヤーン。 
糸が作品であるという事の定義がすこし見えた気がしました。

これは、あくまでも私の定義です。
皆さんはどう感じられましたか?

10日の夕方 Lexiさんのスライド&トークで アートヤーンを初めて発表したころ、周りの伝統的な糸を紡ぐ方々から「ゴミの糸を紡いでいる…」などと揶揄されたことが多かったそうです。
…「私だけじゃなかったんだぁ~」ってちょっと冷や汗~。
そしてスライドを見ながら、前回のWSLexiさんは語ってくれていたのかもしれないけど、技法ばっかりに目が行ってしまって、思いを受け取れていなかったのかもしれません。言葉の壁も厚かったのかもしれないとも思いました。

日本はもともとウールの文化があったわけではないので、伝統が根付いているウールの文化を持つ国よりも自由でアートヤーンを受け入れて面白がる人が多いのではないかなぁって思います。

自由でなんでもOKのアートヤーンでもオリジナルを作るのは大変。Lexiさんも講習中「この紡ぎ方はオリジナルですか?」というような質問に「これは大昔何千年も前から先人が紡いできた形、私のオリジナルではありませんよ」と答えてられてました。謙虚な方ですね。今後は、Lexiさんもどきのアートヤーンではなくて。オリジナルな糸を紡ぐ日本人の作家さんが出てくると面白いなぁ~って思う今日頃の頃です。

長々ありがとうございました。
やっと、私の中で整理がつきました。
アートヤーンちょっと楽しみながら、練りこみたいかも…って思えるようになりました。
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Comment

baruさんの思いに感動ですToT
昨年暮れにお伺いした、北海道のIです。
実用的とは言えないアートヤーンに対して、実は私も抵抗がありました。
ニードルフェルトに、イマイチ興味が持てないのも同じ理由でした。
でもbaruさんの感想を読んでいて、自分もちょっと発想を変えてみようかな、なんて気になっています。
生活に使えるオーソドックスな物を作りたい、という基本姿勢は今後も変わらないと思うけれど、もっと柔軟にかまえることで、もっとものづくりが楽しくなるかな、と思います。
とはいっても、あんまり強烈なアートヤーンは無理かもしれないので、また機会があったらbaruさんの講習を受けたいと思いますので、どうぞじっくり「練りこんで」下さい。
  • 2012/03/26 10:46
  • sheepcspun
  • URL
じじさん

ありがとうございます。
お互いいろいろ思うところがありましたね。

ゆっくり考えつつすすみたいなぁって思います。
  • 2012/03/29 00:11
  • baru
  • URL
Iさん
コメントありがとうございます。
とっても嬉しいです。
人にはそれぞれの思いがあると思うのですが、
もし違うアプローチができる思いが生まれる事の手助けができたらいいなぁ~って思っています。

また東京にいらしたら遊びによってくださいね。
私も北海道に行ったらお邪魔します~。
  • 2012/03/29 00:16
  • baru
  • URL
お久しぶりです!!
羊パレットでお会いできてとても嬉しかったです~!!
そして、
この記事に感動。。。

ちゃんとした言葉は、メールでお伝えしようと思います。

アートヤーンというのは、
技法ではなく、その人のありのままの姿という感じなのかなって思っています。手ではなく心の方法というか。

だから、派手である必要もないんです。
その通り、メッセージのあるものなんだと思います。
だからといって、使わないもの、使えないものを生み出したいとは私は思わないのです。

受け入れる必要はないものだとも思っています。
それでも、baru先生はしっかりと受け止め、
自分なりに考えて、さらに練りこもうとしていて、
さすがだなと思いました。

皆がそれぞれの糸を紡いでいれば、
もうすでにアートヤーンなのかなとも思ってみたり。
私の結論はまだまだ先になりそうです。
でも、今できている答えをお伝えできたらいいなと思います♪
メール待っています~
レイコさん
お久しぶりです。コメントありがとうございます。

そうですね。
私の中ではアートヤーンが「使えるもの」とかそういった素材としての糸と云うものではない。
という位置づけに落ち着いて心安らかにいるところです。

でも…(ってちょっとシツコイ)
ただただ紡ぐキッチュな糸とアートなものとの間なには 
まだまだ深い谷の霧がありそうな気がします。
  • 2012/04/02 08:57
  • baru
  • URL
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  • 2012/04/04 21:44
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